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ライトノベル

『負けヒロインが多すぎる!』雨森たきび 1巻感想 豊橋の名所やグルメも満載のラノベ

負けヒロインが多すぎる!

今回は、雨森たきび:著『負けヒロインが多すぎる!』(ガガガ文庫)の1巻の感想を書こうと思います。

ネタばれも含むので、どちらかというと既読者向けの記事になります。 

ライトノベルに分類される作品です。

若いころはライトノベルもまあまあ読んでいましたが、最近はまったく読んでいませんでした。

そんな私がなぜ本作『負けヒロインが多すぎる!』に興味を惹かれ、読もうと思ったのか。

それは本作の舞台が愛知県豊橋市だからです。

豊橋駅

 
私は昔豊橋に住んでいたことがあります。もう20年以上前のことです。

そのため,、豊橋にはなんとなく親近感を持っており、たまに旅行に行ったりもしています。

何かで本作が豊橋を舞台としていると知り、読んでみることにしました。

そして面白かったので読み続けています。

ちなみに、同じく豊橋を舞台とする4コマ漫画『だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん!』(佐野妙:著)も好きで、コミックスを集めています。

 

作品概要

本作のヒロインたちは「負けヒロイン」という属性を持っています。

負けヒロインとは、恋愛作品において主人公に選ばれなかったヒロイン(候補)のことです。

とはいえ作風は重いものではなく、分類としてはコメディーになると思います。

登場人物の軽妙なやり取りや、主人公の内心のツッコミが楽しい作品です。

また、登場人物たちが書いた小説が出てくるのも特徴です。

今のところ主人公の温水の小説は出てきていませんが。

「アニメ化したらおもしろいな」と思っていたら、2024年にアニメ化決定となり、楽しみにしています。

 

作品舞台

舞台は前述のとおり豊橋とその周辺、要するに三河地方です。

地名や商品名は実在のものが多く、登場する店も店名は出なくても実在するものばかりです。

 

ツワブキ高校

主人公たちの通う高校で、本作のメイン舞台となります。

三河地方でトップクラスの進学校です。つまり、主人公たちは勉強のできる子ばかりというわけです。(一部例外あり)

モデル

愛知県立時習館高等学校ですね。偏差値は70です。

彼らからすれば、豊橋技術科学大学なんて雑魚なんだろうなぁ…。

作者の雨森たきび先生は、時習館高校の出身ではないとX(旧Twitter)にポストしています。憧れの学校なのでモデルにしたそうです。

制服

白っぽい色のブレザーです。

最大の特徴は、女子の4連リボンという狂気のデザインです。

これは雨森たきび先生によるものではなく、イラストのいみぎむる先生の発案のようです。

5巻まで読んでいるとすっかり慣れてしまいましたが、最初見たときは「なんだこれ?」と思いました。

リボンの色はバリエーションが多く、リボンの色の組み合わせでキャラ付けされています。

男子は普通です。

 

今巻のメイン登場人物

温水和彦(ぬくみず かずひこ)

本作の主人公で、基本的に彼の一人称で物語は進む。

ライトノベルを愛するオタク少年。

ぼっちで中学まで友達がいなかった(と思っている)。

経験不足のため会話を苦手としているが、コミュ障というわけではない。本人もそれは自覚している様子。

表面的には礼儀正しいが、本性は割と毒舌。

思いやりが強い。

シスコン。

妹の佳樹のプロデュースにより、髪形やファッションにオタクっぽさはない。ただし本人にはセンスはない。女子の評価によると、見た目は普通

成績は上の下。料理も一応できる。

学校での一人の時間をつぶすために、校内の水道と水質に非常に詳しくなっている。

もはや趣味であり、その知識にプライドを持っている。

作中であまりファーストネームが出てこないため、私は覚えていません。

 

八奈見杏菜(やなみ あんな)

本作のメイン負けヒロイン。

あどけなさの残る顔と豊満な体、明るく優しい性格をした男子に非常にモテる要素を持った美少女。

物語開始とともに、無駄にドラマチックに幼馴染の袴田草介にフラれた。

まともな人間に見えて、どこか常識や倫理に欠けている。

幼馴染という概念に並々ならぬ執着を持つ。

大食いにして早食い。当然太るのだが、食べている量からすれば太りづらい体質だと言える。

謎理論による独自のダイエット法を実行しては失敗したり、信じられないことに成功したりしている。

父親が組織で働くのが苦手なため、家庭についてはあまり深く聞かないほうが良さそう。

成績は中の下。

 

感想

本作のタイトル通り、負けヒロインが着々と増えていきます。

今巻のメインである八奈見杏菜は、無駄にドラマチックに負けます。

焼塩檸檬は、何もできずに負けます。

小鞠知花は、きっちり負けます。

負けたヒロインの時間も進み、彼女たちも変化していく(せざるを得ない)というのが本作の描いているところなのでしょう。

八奈見は吹っ切ろうとするけど全然できなくて、勝ち組カップルに普通に接しようとするけど被害妄想をこじらせていきます。コミカルに描かれているけど、本人にとっては大問題です。

人と接するのを避ける、あるいは必要と感じない温水が、八奈見のアレな行動や文芸部絡みで人と関わっていきます。

今まで感じなかったこと、考えなかったことに戸惑い、やらかして後悔したり傷ついたり。

そして、妹の佳樹にはげまされて新しいアクションを起こしていく。

この物語は、温水が人と関わる中で成長していく物語でもあるのでしょう。

クライマックスで八奈見と温水はそれぞれの決意を言葉や行動で示し、前に進もうとします。そして仲直り。

1巻は良い感じの青春ストーリーでした。

たとえ今巻で物語が終わっていたとしても、満足度は高かったと思います。

 

以下、気になったことを箇条書きすると、

  • 温水が冒頭で読んでいたラノベ『年上の妹に甘えちゃってもいいですか?』。調べたら年上の妹は実在し得た。
  • 保険の小抜先生はとても楽しそう。頭はおかしいけど。
  • 温水の「『若いころ、水着の女子と楽しく遊んだ』という事実が、この先の孤独な人生を支えてくれる」はとても共感できる。
  • 生徒会長「放虎原ひばり」は1巻からいた。

 

最後に

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

負けヒロインが多すぎる!』は豊橋(三河地方)を舞台にした作品です。豊橋の風景やグルメがたくさん登場します。

実在する場所や施設が多いので、聖地巡礼に最適です。

豊橋は新幹線で東京から約2時間名古屋から約20分で行けます。

歴史的建造物やB級グルメ、映画やドラマのロケ地など、見どころがいっぱいです。

本作のファンなら、ぜひ豊橋に行ってみてください!

楽しい旅になると思います。

 

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